研究者総覧「情報知」
複雑系科学専攻
- 氏 名
- 時田 恵一郎(ときた けいいちろう)
- 講座等
- 多自由度システム情報論講座
- 職 名
- 教授
- 学 位
- 理学博士
- 研究分野
- 統計物理学,数理生物学,多様性の科学
研究内容
複雑に相互作用するたくさんの「もの」の集まりをどう理解し制御するか?
非線形力学、統計物理学、計算物理学などの手法を用いて、生態系、細胞内の代謝系、免疫系、生体高分子、神経回路網、組合せ最適化問題,経済システム,社会システムなどの多種類の構成要素からなる巨大システムの数理的理解と制御方法の確立を目指しています.これらの対象は一見全く異なる研究分野なのですが、比較的単純な素子が多数集まり、複雑な相互作用で影響しあうことにより創発するマクロな現象という点で数理的に密接な関係があります.これらを統一的な視点で眺めることにより逆に個々の理解が深まるという場合が少なくありません.統計力学を用いた解析的なアプローチからスーパーコンピュータやPCクラスタ,GPGPUを用いた大規模シミュレーションまで、様々な手法を駆使して新しい研究領域を模索しています.経歴
- 1989年 早稲田大学理工学部応用物理学科 卒業(工学士)
- 1991年 早稲田大学大学院理工学研究科物理学及び応用物理学専攻 修士課程終了(理学修士)
- 1994年 東京大学大学院理学系研究科相関理化学専攻 博士課程修了(理学博士)
- 1994-2000年 大阪大学理学部 助手
- 1996-1998年 ハーバード大学客員研究員(学振海外)
- 2000-2007年 大阪大学サイバーメディアセンター,大阪大学大学院理学研究科(兼任) 助教授
- 2002-2007年 大阪大学大学院生命機能研究科(兼任) 助教授
- 2003-2004年 ハーバード大学客員研究員(在外)
- 2007-2013 大阪大学サイバーメディアセンター,大阪大学大学院理学研究科(兼任),大阪大学大学院生命機能研究科(兼任) 准教授
- 2013年-現在 名古屋大学大学院情報科学研究科 教授
所属学会
- 日本物理学会
- 日本数理生物学会
- 日本生態学会
主要論文・著書
- 著書「生物間ネットワークを紐とく」(京都大学出版会)
- 著書「複雑系の構造と予測」(共立出版)
- 訳書「複雑さの数理」(産業図書)
- Haruyuki Irie and Kei Tokita, "Species-area relationship for power-law species abundance distribution", International Journal of Biomathematics 5 (2012) 1260024 (9 pages).
- Yoshimi Yoshino, Tobias Galla and Kei Tokita, "Rank abundance relations in evolutionary dynamics of random replicators", Physical Review E 78 (2008) 031924 (11 pages).
- Yoshimi Yoshino, Tobias Galla and Kei Tokita, "Statistical mechanics and stability of a model eco-system", Journal of Statistical Mechanics (2007) P09003 (24 pages).
- Kei Tokita, "Statistical mechanics of relative species abundance", Ecological Informatics 1 (2006) 315-324.
- Kei Tokita, "Species abundance patterns in complex evolutionary dynamics", Physical Review Letters 93 (2004) 178102 (4 pages).
- Kei Tokita and Ayumu Yastuomi, "Emergence of a complex and stable network in a model ecosystem with extinction and mutation", Theoretical Population Biology 63 (2003) 131-146.